【初心者向け】自分のペースと歩き方

自分のペースと歩き方

登山や山旅を始めたばかりの人にとって、最も大切なのは装備でも体力でもなく、「自分のペースを知ること」です。
どれくらいの速さなら無理なく歩けるか、どのタイミングで休憩するか──それは人それぞれで、正解はありません。
この記事では、登山を始めたばかりで「自分のペースがわからない」「どの山なら登れるだろう?」と迷っている“超初心者”の方に向けて、自分のペースや歩き方の見つけ方を紹介します。

目次

自分を知る/自分のペースを把握する

「自分のペースで…」「ゆっくり歩いて…」とよく言われますが、初心者にとっては、自分の“ペース”はそもそもわかりにくいものです。体格や体力、歩き方の癖、靴擦れや膝の痛みやすさなど、個人差があります。だからこそ、他人に聞くだけでは、自分に合ったペースはわかりません。自分を知るためには、実際に歩いてみて、記録をとり、試行を繰り返すことが大切です。

①山行計画を作る/自分が歩くルートを把握する

まずは、自分が歩くルートの「距離」「累積標高」「標準コースタイム」などを把握しましょう。地図で計算する方法もありますが、ヤマレコ や ヤマップ などのアプリ(または WEB サービス)で「山行計画」を作るのがおすすめです。サービスによって数値に若干の差がある場合があるので、使うサービスは統一すると良いでしょう。簡単に短時間で作成できます。
また登山届も作った計画からそのまま提出できる機能があるので便利です。以下はヤマレコを使った方法です。

ヤマレコの山行計画

ヤマレコで作成した、丹沢山の山行計画。
ポイントやルートをクリックするだけで数分でできます。筆者は今でも必ず行く前に必ず作成します。(計画通り歩かなくても作ります)また、ボタン1発で登山届(コンパス)を提出できます。
筆者は行きたい山はとりあえず山行計画を作って、「山のネタ帳」のようにも活用しています。

標高グラフ

山行計画を作ると自動で標高グラフも作成されます。
アップダウンや急な個所を確認しておきます。
左の例だと10kmを過ぎたあたりから、一気に上り詰める(1.5kmで約500m弱登る)ことがわかります。
これは地図の等高線でも確認できます。

この他、分岐点の位置や数などを確認しておくといいでしょう。(覚えなくていいです、分岐が多いから気を付けようぐらいにおもっておけばOK)

②山行時にアプリを起動する/山行記録を作成する

実際行く前に、作った山行計画からスマートフォンでマップをダウンロードします。登山届も出します。
そして登山開始時に作った計画を開き、「登山を開始する」を押してナビゲーションを起動します。

ヤマレコ音声ガイド機能

ヤマレコの音声ガイド機能は使った方が良です。
分岐点に近づいたり、ルートを外れた場合に音声で教えてくれます。
また、定期的に時刻と標高を教えてくれる機能を使うとペース感を養えます。(30分で標高いくつ上げたのか)

行動中は、分岐やアップダウンなど、ルートを確認しながら登ります。また、自分が計画しているルートのどこら辺にいるのかは大体でいいので把握(例:3個あるピークのうち2個目と3個目の間だな等)しましょう。ルートを設定して、ルート逸脱警告をONにすれば道間違いのリスクもなくなるので初心者には特におすすめです。

筆者はApple Watchに地図をダウンロードして、行動中はこちらを主に見てます。起動しておけば、時計を顔に向けただけで地図が表示されます。いちいちスマートフォンを出して起動する手間が省けます。
スマートフォンがOFFでもこちら単体で動作するので、バックアップにもなります。
ちなみにSeries10の46㎜モデルを使ってます。

③意識して、感じながら歩く

自分の歩き方を意識する

歩くときは、自分がどうやって歩いているか意識しながら歩きます。
歩幅はどのくらい(靴何足分)で歩いているのか?姿勢は前傾?それとも後傾?正しい正しくないは別にして、自分の基準でいいので今の自分の歩き方を意識します。

歩いている場所を意識する

またどういう地面を歩いているのかも意識します。丁寧に階段上にステップが切ってあるところなのか?ザレてるのか、土のスロープなのか?岩場なのか?地面のコンディションによって体力の消耗度合いが違います。
また今自分が歩いている地形が、尾根を歩いているのか、ピークをトラバースしているのか、沢筋なのか周囲を観察すればわかるので時々意識しましょう。時々、地図の等高線等と照らし合わせてみて確認してみるとなお良いと思います。

自分の状態を分析する

そして自分の状態を感じながら歩きます。息は上がっているのか、暑いか寒いか、汗で体が冷えてないか、どこの筋肉に負荷がかかっているのか、痛い所はないか観察しながら歩きましょう。

これらをしていかないと改善していきません。歩き方や足運びの速度を変えてそれがどう影響するのかいろいろ試すと自分なりの歩き方ができると思います。

④自分のペース振り返る

下山後は、自分のデータを見返します。
時間も余裕で疲れもあまりないなら、同じような山で、同じような累積標高、距離ならこの次も余裕で登って降りてこられるでしょう。次はもっとスッペクを上げて登ってみるのもいいでしょう。
逆にヘトヘトだったり、途中で引き返してしまったら、この次も同じような山は同じような思いをするので、次はもっと低いスペックの山を選ぶか、前回よりも時間に余裕を持たせて前回よりゆっくり歩くなど見直す必要があります。

これらの継続と蓄積で自分の歩き方が作られ、自分のペースを把握することができるようになります。
③と④に関しては慣れてきたらそこまで徹底しなくても良いと思いますが、ブランクがあったり、なにか試したいときは入念にやるのが良いです。

基本的な事

上りと下りの違い

上りと下りの違いを知っておくと、歩き方を考えるときに考えやすいです。

上り(加速する運動)下り(減速する運動)
主に使う筋肉大殿筋(お尻)、ハムストリングス(太もも裏)、ふくらはぎ、大腿四頭筋(太もも)、前脛骨筋(スネ)
コントロール自分のペースで上れる
転倒のリスクが低い
体と荷物が落ちるのを支えないといけない
転倒のリスクが高い

大腿四頭筋は上りでも使います。上りで太ももの筋肉を使い過ぎて下りできつい思いをすることも結構あると思います。なるべく大腿四頭筋は上りで使わないような歩き方を研究してみてください。逆に鍛えたい、トレーニング目的であれば積極的に使うようにします。
下りは体と荷物が落ちるのを足で支えないといけないので筋力を使います。下山時に足が思うように動かないと危険です。下山時にけがやトラブルが多いのも頷けます。

暑さは大敵

暑さは大敵です。体力も消耗しますし、また汗をかいて冷えるのも良くないです。パフォーマンス自体が落ちます
冬も最初から着こまない方が良く、ちょっと寒いぐらいがちょうどいいです。初心者のうちは真夏に高熱の関東の低山とかに行くのはお勧めしません。
個人の経験上、真夏で高温の山行は疲れもたまりやすいです。またパフォーマンスが出ないので、トレーニングの効果もほぼ感じられないです。

冬こそ山へ

寒い時期は日が短いですが、気温が下がり登山には向いています。冬にたくさん登ると鍛えられ成長します。10月後半から3月ぐらいまでは成長のチャンスです。
気温が低いので関東の低山も最適期です。空気も澄んでいて遠くの景色も鮮明にみえますし、落葉しているので見通しもいいです。虫もいません!トレーニングや登山を始めるのに最も良い時期です。
ただ汗冷えに注意する事と日の出日の入りをチェックしましょう!

歩き方を作る上でのポイント

足の使い方、置き方

基本小股なればなるほど負荷がかからない歩き方になり、歩行速度も落ちると思います。
また、極力大殿筋を使うようにすると負荷が減ると思います。
また、基本的には登りはつま先上がる、下りはつま先が下がるほどつらくなります。理想は階段のように平らに歩ければ楽ですが、ステップのないスロープだったりするとそうもいきません。

ステップが無い斜面や、スロープ状の斜面では、石や木の根などを見つけて、上りはかかとに石や木の根をあてる、下りはつま先に石や木の根などをあてると楽になります。がにまたや横歩きなども有効です。
※無理になるのではなくあくまで歩幅に合わせてやってください。

姿勢

姿勢もいろいろ試してみましょう。特に下山では前傾かつ重心を低くすると安定します。ザレ場などで滑りにくくなります。腰が立った状態だとももが常に突っ張った状態になり、特に膝上の筋肉を非常に使い足が疲弊します。
前傾度合いや重心の落とし具合は状況や人によって違うと思うので、自分なりに探ってみてください。
基本的に、自分の頭より膝が前に出ると足への負荷が高くなると思います。

休憩の取り方

休憩をとる長さ間隔座る座らないザックをおろすおろさない等、人それぞれだと思うので、自分なりに効率のいい休憩方法を研究してください。
筆者は足を止めて写真を頻繁に撮ったりすることもあり、明確な休憩自体は少ない方だと思います。
食事をとる以外の休憩は大体5分ぐらいで、必ずザックをおろして座ります。岩場とかに座る時もそのままだと痛いことが多いので、必ず座る用のマットをもっていきます。100円ショップのものは、岩などで底付き感がありマットの意味がないことが多いのでお勧めしません。因みに私はモンベルのものを使っています。

上半身(ザックの負荷、トレッキングポール)

日帰り装備だとそこまで重くないので、あまりわかりませんが、ザックはショルダーベルトを締めると肩荷重ヒップベルトを締めると腰荷重になります。荷物が重いテント泊装備では、ショルダーとヒップの締め具合を調整して自分にとってちょうどいい感じにします。歩きながらやればいいです。肩が疲れてきたら、腰を締めて(肩を緩める)、腰が疲れてきたら肩の方を締める(腰を緩める)といった具合にやっても良いです。
最初に使うザックはそれがやりやすい(わかりやすい)ショルダーベルトとヒップベルトがしっかりしたものを選ぶといいと思います。

また、トレッキングポールも初心者からお勧めします。足への負荷が軽減されます。トレッキングポールに関しては以下の記事で詳しく書いてます。

その他

初心者の山の選び方

個人的には「自分が行きたい山」を見つけて、その中から選ぶのが良いと思います。
但し、一般登山道であること、人気のルートであること、「自分を知る/自分のペースを把握する」の項目で述べたことを必ずやる。その上で引き返すことも念頭に置いて選びましょう。
指標としては、
累積標高だと、500m以下、800m以下、1000m以下、1500m以下
コースタイムだと、5時間以下、7時間以下、10時間以下
を目途にするといいと思います。それぞれの数値でキツイなどあれば数値を上げずに同じような山から選ぶ等判断してください。

これとは別に、登山道の状況でも疲れる度合いが違います。整備されていればされるほど楽になります。
ザレ、ガレ、ぬかるみ、落差の大きい岩場や鎖場が連続する、ステップのないスロープ状の急登は疲れますしコースタイムが伸びます。

山に行く頻度

山に行く頻度は体力の成長や維持にかかわります。
しばらく山に行かなかった場合は、以前はコースタイム通りに登れた山でも、思うように登れない可能性もあります。
自分がどの間隔で行けば維持できるのか、ブランクが空いた時の体力の落ち具合は認識するようにしましょう。
ブランクが空いた時はレベルを落としてみるなど検討してください。
逆に、筋肉痛や足などに痛みがある場合はパフォーマンスが出ないばかりか、さらなるケガにもつながるので考え物です。

水分補給、行動食

水分補給の仕方や、行動食の取り方も自分なりに試行錯誤して研究してみてください。
水は飲み方によっては、行動に支障をきたすことがあるので一気に飲むとかは考え物です。水は重いので持っていく量を考えてください。行動食は自分の好きなものでいいと思います。余る感じで多めに持っていくといいです。
余談ですが、地方に行ったら地方の名産の菓子とかをサービスエリアで買ってよく持っていきます。
私だけかもしれませんが、時々登っている最中に持ってきた行動食の事を思いながら登ると、休憩時に食べるときに一層おいしく感じられます。

道迷いと道間違い

道迷いは登山ルートから外れてしまう事で、元に戻れないと遭難となります。
もう一つ気を付けたいのが、道を間違える事です。間違った道を長時間気づかないと、引き返すのにも体力を消耗してしまい疲労(疲労遭難)につながる可能性もあります。
前項で触れた、登山計画を作る、そのルートで登山開始する、アプリの音声案内機能を使う、定期的にルートを確認するということをすれば道間違いに関してはほぼ防げると思います。

最後に

自分で考えて、試してみて、感じてみてを繰り返し、改善していくのが最適な方法だと思います。
基本的に正解・不正解もあまりないと個人的には思います。速く歩くときは楽な歩き方ではなくなるだろうし、トレーニングしたい時はそれなりに負荷をかけるようなことをするでしょうし。重要なのは、自分にとって何をどうするとどうなるのかを知って、それらを時と場合によって使い分けることだと思います。
ここではそれに対する、考え方や基本的なことについてまとめてみました。ぜひ皆さんも自分で自分の歩き方を見つけてみてください。

自分のペースと歩き方

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